君の事好きになっても良いですか?



「どうせ寄り添ってやって」
「手なんか握ってやったりなんかしちゃて……」
「心配そうな顔で、晃を見てたんだろ?」

俺は、
こんな事言いたくないのに
一度言葉にしてしまったら、
溢れて言いたくない言葉まで次から
次へと口走ってしまう。

知らないはずのことを、
想像だけで積み上げて喋ってしまった。


「俺の彼女なのに……。」


理央のその言葉が、重くのしかかる。


「……私、理央の彼女だよ。」


私は、手の震えを抑えて言った。


「だからこそ、ちゃんと話してる。」
「隠してないもん。」


「でも、結局晃のところ行ったじゃんか!!」


「それは――!」

声を張り上げた自分に、
はっとする。

深呼吸をして、言い直そうとした。

でも……これじゃ空回りのままじゃん。

「もういい。」
「今日はそういう気分じゃない。」

理央から一方的に、
線を引かれた。

「理央……待って……」
「ちょっ……」



「……切るから。」

短い沈黙。

通話が、切れた。

画面に映る、通話終了の文字。

私は、
そのままスマホを握りしめ、
しばらく動けなかった。

――違う。

――伝わってない。

好きだから、
信じてほしかった。

でも、
好きだからこそ、
不安にさせてしまった。

ベッドに倒れ込み、
天井を見つめる。

「……どうして、こうなるの」

答えは、
どこにもなかった。

ただ……今日の夜は一睡も出来なかった。



琴音 side 終わり