君の事好きになっても良いですか?



鳥居の前で、全員が揃った。

一瞬、誰かが言葉を探すような間ができて、
それを破ったのは千歌だった。

千歌
「……なんかさ。」

そう前置きしてから、少し笑う。

千歌
「このメンバーで初詣来るの、」
「今年が初めてだよね。」

遥陽
「あ、確かにな。」
「去年はまだ、知り合って」
「なかったもんな、俺ら。」
「電車で千歌を見るぐらいだったし。」

千歌
「うん、そう思うと凄いよね。」

琴音
「私と千歌ちゃんと晃だって」
「理央たちと知り合ったのも、」
「去年だしね。」

私もそう言って、みんなの顔を見る。


夏奈
「そう考えるとさ……」

夏奈ちゃんが少し感慨深そうに言う。

夏奈
「まだ一年も経ってないんだよね?」
「私たち。」

千歌
「え、もう何年も一緒にいる」
「感じするけど(笑)。」

千歌が冗談っぽく言うと、

遥陽
「分かる、それ!」

遥陽が笑う。

琴音
「本当、ずっと前からみんなと」
「一緒に過ごしてきた感覚だもん。」

理央
「しかも、晃ってさ」
「最初俺らの事苦手意識強かったよな(笑)。」


夏奈・遥陽
「それな(笑)。」


「えっ!?知ってたんかよ……。」
「なんでわかったんだ!?」


夏奈
「だって、晃君って」
「顔にすぐ出てるもん(笑)。」


琴音
「晃、ほら……私前から言ってるじゃん。」
「あまり、顔に出さないほうが良いよって。」
「小学生の時もそれで友達あまり」
「できなかったじゃん。」

理央
「琴音がガチ説教してる(笑)。」



「うるさい。」
「俺はあの時は友達をあえて作る気」
「なかったからわざとだ。」


琴音
「はいはい(笑)」
「素直じゃないね(笑)。」



遥陽
「でもさーみんな。」
「俺、最初会った時こんな風に」
「初詣来る仲になるとか思ってなかった。」

琴音
「ほんとに……。」


俺は一歩後ろで、その会話を聞いていた。

……1年か……。

たった一年。
それでも、
いろんなことが変わった一年。

琴音に理央と言う彼氏ができた。

俺は琴音に告白したけどフラれて……
でも、まだ好きの想いは止まらなくて。

夏奈に告白されて……。
なんか……濃いなぁ。


理央
「でもさ。」

理央が、少しだけ照れたように言う。

理央
「せっかくこうして集まれたんだし」
「来年も、またこのメンバーで」
「来れたらいいよな。」

その言葉に、
一瞬だけ空気が静かになる。

千歌
「それ、いいじゃん!」

千歌が一番に声を上げた。

夏奈
「来年も全員で初詣ね!」

遥陽
「賛成!」


琴音
「……うん!」

琴音は理央の方をちらっと見てから、
頷いた。



私もも、少し遅れて微笑む。
そして、私は晃君に向き合って
言う。

夏奈
「ねぇ、晃君!」
「来年も、ここで集合できたらいいね!」

最後に、晃が小さく言った。


「……そうだな。」

短い言葉だったけれど、
そこにははっきりとした想いが込められていた。