君の事好きになっても良いですか?


*理央*


琴音の誕生日からあっという間に
3週間が過ぎ学校は冬休みに
入った。

クリスマスを琴音と一緒に過ごし
この日もお互いの愛を確かめ合った。

そして昨日、年が明けて家族と過ごし、
今日1月2日はいつものメンバーで
初詣に行く日になる。

俺は起きる予定時刻を少し上回って
起きる。
ベッドから重たい体を無理やり起こし、
洗面所に向かい初詣に行く準備をした。

「眠っ……。」

俺は大きなあくびをしながら服を着替え、
もう出れる準備ができた。

昨日は家族で夜更かしをしたせいか
今日は一段と寝不足で頭がスッキリしない。
姉貴も父さんも母さんもまだ寝ている。


玄関でスニーカーの紐を結び直しながら、
スマホの画面のスケジュールを
もう一度確認する。

――鷹宮神社 10:30集合

「……よし。」

今日は琴音と初詣。
みんなで、だけど――
それでも、特別な日だ。

コートのポケットの中で、
指先が無意識にペアリングに触れる。

琴音の誕生日に渡した、
あの指輪……。
あの夜の事も思い出す……。
思い出しただけで顔がニヤける。


俺は、琴音の彼氏だと言う証が
一つ一つ増えていく。

その事実が、
胸の奥をじんわり温めると同時に、
ほんの少しだけ、緊張も連れてくる。

今日……やっぱり晃……いるよな。

考えないようにしても、
どうしても頭をよぎる名前。


晃が琴音を想ってきた時間の長さを、
俺は知っている。

でも……だけど……。

玄関のドアを開け、冷たい空気を吸い込む。

引くつもりはない。

琴音を選んだのも、選ばれたのも俺だ。

俺は家を出て歩いて最寄り駅まで行く。

駅前で、遥陽と夏奈と合流する。

「おはよ、理央!」
「今日寒くない?」

夏奈は少し元気そうで、
でも、どこか落ち着いた雰囲気を纏っていた。

……夏奈も、色々あったもんな。
晃の事……まだ好きだよな。

晃、夏奈の事好きになってくれないだろうか。
そんな事を願ってしまう。
多分、無理だよな……琴音の事を
好きすぎるから。


「おはよ二人とも早いな。」


「いや、理央が一番早いから。」

遥陽が笑う。

電車に揺られながら、何気ない会話が続く。

でも理央の視線は、
窓に映る自分自身に向いていた。

俺……ちゃんと、
彼氏でいられてるか?
ふとそんな不安が襲ってくる。

琴音を不安にさせてないか。
晃の想いに、無神経になってないか。

……考えすぎかなのかな。

それでも、
守りたいものが増えると、
自然と慎重になる。

鷹宮神社の最寄り駅で降り、
3人並んで歩く。

鳥居が見えてきた瞬間、
胸が少しだけ高鳴った。
もう、既に神社には大勢の人で
賑わっていた。


琴音、もう来てるかな……。


理央 side 終わり