君の事好きになっても良いですか?



そして残ったのは、
電車で帰る組。

改札へ向かう流れの中で、
自然と2つに分かれる。

私と千歌ちゃん。

理央、夏奈ちゃん、遥陽君。

同じホームに立ちながら、行き先は違う。


千歌
「私たちは先東中園で降りないとだね。」

琴音
「うん。」
「なんだか楽しい時間って」
「あっという間だったなぁ。」


遥陽
「俺たちは東中園の3つ先だな。」
「みんな同じ駅だったら良いのにな。」


理央・夏奈
「本当にそれな。」

遥陽君の言葉に、理央と夏奈ちゃんは
ハモって口に出した。

ホームに滑り込んできた電車の風が、
髪とマフラーを揺らした。
それを理央がさり気なく直してくれる。

理央
「琴音、髪とマフラー乱れてる。」


そう言って俺は、電車の風で乱れた
髪とマフラーを整えた。


琴音
「ありがとう。」
「理央はマフラーしなくて平気なの?」


理央
「俺、寒さに強いからね!」


夏奈
「昔から、理央は冬強いよね(笑)」

千歌
「すごっ(笑)」


遥陽
「バカは風邪引かないからな(笑)」


理央
「バカって言うな(笑)」


こんな会話をしていたら丁度、
電車が到着。

車内はそれほど混んでおらず、
全員が同じ車両に乗り込む。

ドアが閉まると、
外の音が一気に遮断され、
静かな揺れだけが残った。

向かい合う形で立つ中、
琴音と理央の視線が一瞬だけ重なる。

言葉はない。

それでも、明日へ続く気持ちが、
確かにそこにあった。

千歌
「今日、ほんと楽しかったね。」

千歌ちゃんが小さな声で言う。

琴音
「うん……」
「私、みんなに祝ってもらえて」
「幸せだなぁって感じちゃった。」


琴音は頷きながら、
手首のブレスレットにそっと視線を落とした。

私の言葉に、みんな優しい笑顔で
私の顔を見つめた。


こうして私達は電車に揺られ、
しばらくすると電車が減速し、
アナウンスが流れる。