君の事好きになっても良いですか?


理央
「……何かあった?」

琴音
「ううん、何もないよ。」


琴音は本当に何もないよと言う
表情で笑って答える。
だけど……
晃は黙ったまま、視線を落とした。

晃には何か違和感を感じる……

隣に座っていても、

自分の知らない一瞬があったこと。


歌が始まり、順番にマイクが回る。

千歌ちゃんと夏奈はテンポよく盛り上げ、

遥陽は安定した低音で場を支える。

瑠斗は少し緊張しながらも、歌い終え
琴音が拍手すると、照れたように笑った。


笑い声と音楽が部屋を満たし、
楽しいはずの時間の中で、
それぞれが、違う余韻を胸に残していた。



千歌ちゃんが一段落すると、
千歌ちゃんが軽く手を叩いた。

千歌
「はいはーい!」
「次はプレゼントタイム」
「だよー!」


テーブルの上をみんなで少し片付け、
自然と視線が琴音に集まる。


琴音
「なんか……」
「改まると緊張してきちゃった。」


夏奈
「主役なんだから観念しなさい(笑)」

夏奈が冗談めかして笑顔言った。

最初に立ち上がったのは、千歌だった。

千歌
「まずは親友の私からね。」

差し出されたのは、
淡いピンク色のラッピング袋。

千歌
「これ、前に可愛いって」
「琴音ちゃんが言ってたやつだよ。」

中に入っていたのは、
小ぶりでさくらんぼのチャームが
付いてる上品なヘアアクセサリー。

琴音
「覚えててくれたんだ……。」

千歌
「当たり前じゃん♪」

千歌ちゃんは照れ隠しのように笑う。

琴音
「千歌ちゃんありがとう!」
「大事にする!」

次に前へ出たのは、遥陽君だった。

遥陽
「琴音ちゃん俺からも。」

手渡されたオシャレな紙袋の中には、
パステル色のユニコーンの
イラストが描かれたマグカップ。

遥陽
「寒くなるし、使えると思って。」

琴音
「遥陽君ありがとう!」
「可愛いマグカップ欲しかったの!」
「家で大切に使うね。」


続いて、瑠斗君が緊張した様子で立ち上がる。

瑠斗
「琴音先輩。」
「えっと……僕からです」

小さな箱を両手で差し出す。

中身は、シンプルなキーホルダーだった。

瑠斗
「ささやかですけど……」
「琴音先輩に似合うかなと思って。」

琴音
「ありがとう瑠斗君!」
「四葉のクローバーのキーホルダー」
「可愛い!家の鍵に着けるね!」

瑠斗君は少し照れたように笑った。

そして夏奈ちゃんが次は、
私の番だよと言い一歩前へ出る。

夏奈
「はい、琴音ちゃん。」

差し出したのは、可愛らしいラッピングの小箱。

夏奈
「これね、前に琴音ちゃんが」
「話してたの覚えてて。」
「晃君と一緒に誕プレ買いに行った時、」
「見つけたの!」

中に入っていたのは、
今人気で話題のcuteartの
限定コスメセット。

琴音
「え、覚えててくれたの?」

夏奈
「もちろん。誕生日だし、」
「喜んでもらえる物を渡したかったからね♪」


琴音ちゃんはそう言って
凄く嬉しそうに笑ってくれた。
本当に琴音ちゃんは良い子で可愛いくて
大好き。

琴音
「ありがとう。大事に使うね!」


と丁寧に受け取った。
私はほっとしたように一歩下がって
晃君の顔をちらっと横長しで見る。
今日の晃君は、琴音ちゃんに対して
積極的にスキンシップを取ってるように
見えた。

晃君の琴音ちゃんが好きの気持ちが
隠せなくなってきているのは、
きっと理央や他のメンバーも気付いてる
はず。
次は晃君だけど、
どんな感じで渡すのだろう……。
まさか……ね。