君の事好きになっても良いですか?




「おい、琴音。」

晃は一歩前に出る。


琴音
「うん?何?」


「手、冷えてるだろ……?」


そう言って、俺は自然な動作で
琴音の手を取った。

一瞬、空気が張り詰める。
琴音だけがその空気に読めてない。

琴音
「……晃?」

だけど琴音は状況があまり
分からないものの戸惑った声は
していた。
理央に誤解されたくないって感じ
なのだろう。

そして理央の声が低く俺に向ける。


理央
「おい!晃琴音の手……離せ。」


「琴音が寒いって言ってる。」

理央
「だからって、触んないでくれる?」



「独占欲、強すぎなんだよ。」


理央
「当たり前だろ。俺の彼女だ。」


二人の視線がぶつかる。
あっ……また始まちゃったよ……。
理央君とアキ君ばとるが。

最近は落ち着いてきてると思ったのにな……
やっぱアキ君は琴音ちゃんの事になると
感情剥き出しになっちゃうんだよね。

そして周りが見えなくなるから、
誰かが止めに入らないと酷くなるんだよね。



千歌
「ちょ、ちょっと待って!」

私は慌てて間に入る。


千歌
「2人とも落ち着いてよ。」
「ここ、駅前! 人多い!」
「ほら、周りの人こっち見てる。」


夏奈
「そうそう。」
「理央も晃君も冷静になってよ。」


晃君……今日やけに積極的と言うか……。
また、一段と琴音ちゃん好きオーラが
増してるような気がする。
だけど、せっかく琴音ちゃんの
誕生日会なのに、こんな空気重くなるの
嫌だよ……。
純粋にみんなで祝いたいよ……。


夏奈
「誕生日会の前に修羅場はやめよ?」
「琴音ちゃんの誕生日会楽しく」
「祝ってあげようよ。」


遥陽は腕を組み、冷静に言った。


遥陽
「夏奈、千歌の言う通りだぞ。」
「しかも琴音ちゃん、困ってる。」


琴音が小さく息を吐く。


琴音
「……お願い。今日は楽しく過ごしたい。」
「よく分からない喧嘩は駄目だよ。」

琴音先輩……?もしかして気付いてないの?
琴音先輩を巡ってマウント取ってる事に。
ってか、前から思ってたけど……
琴音先輩……って…。

俺がそんな風に分析していると、
夏奈さん、千歌先輩、遥陽さんから
同時に両肩を優しく叩かれた。


千歌・遥陽・夏奈
「琴音ちゃんは、ああ言う子だよ(笑)。」


瑠斗
「なっ……なるほど。」
「だから皆さん、あえて突っ込まない」
「んですね……。」


千歌
「今始まった事じゃないから(笑)」
「琴音ちゃんの無自覚わ(笑)」


瑠斗
「千歌先輩それは俺も共感できます。」
「俺が告白した時も最初ピンっと」
「きてなかったみたいだったので。」
「薄々は感じてました(笑)」


夏奈・遥陽
「瑠斗君、ご愁傷様(笑)。」


晃・理央
「琴音……ごめんついカァッとなって。」


琴音
「2人とも良いよ。」
「2人とも私の事、風邪引かないように」
「心配してくれての事でしょ?」
「私なら大丈夫だから、喧嘩はしないで。」


理央・晃
「あっ……えっ?」
「あっ……はい。」

琴音
「分かればよし!」




「なぁ、おい理央。」


理央
「何?」
「まぁ……言いたい気持ちはわかるよ。」



「うん……まぁ、理央も大変だな。」


理央
「お互いにでしょ……。」
「まぁある意味で、本当の喧嘩の」
「理由を琴音に教えても」
「混乱するだけだし、余計な事は」
「晃、言わないでね。」



「当たり前だ。」


琴音と理央がイチャつくのを見て、
嫉妬してたなんてバレたら、
琴音を困らせるだけだし。

理央も同じ考えだろうけど……。
少しでも琴音に触れたいとか言っても
困るだろうから。