角を一つ曲がると静かな住宅街。
どの家にも、
あたたかい明かりが灯っている。
……いいな……
今日はやけ家の明かりが恋しくなる。
そう思った瞬間、
胸がきゅっと締めつけられる。
誰かの帰る場所誰かの隣り。
それが、
今の私にはないだけ
こう言う時ママが居てくれたらなぁ。
パパが頑張って私を育ててくれてるのは
わかる……。
だけどパパは基本仕事で忙しく
私が起きてる時間にパパが居る事がない。
はぁ……寂しい……。
それでも、
歩く足は止まらなかった。
好きになったことは、間違いじゃない。
晃君の心には琴音ちゃんが居て。
私の存在はいない。
その違いを、ちゃんと受け止めきゃならない。
だけど……そんなすぐにはできない。
ふと立ち止まって、
夕空を見上げる。
星はまだ出てこない
でも、月は薄っすらと
ちゃんとそこにある。
見えなくても、
消えないものがある。
そのことが、少しだけ救いだった。
”……晃君。”
声に出さず、
名前だけを胸に落とす。
まだ好き。
きっと、すぐには終わらない。
恋って難しいね……。
でも――私は、前に進む。
それを、今夜の私が決意した。
私は後日、今日の事を晃君以外のみんなに
話しをした。
夏奈 side 終わり
第20話 恋って難しいね。
END


