晃君は、
ポケットからスマホを取り出した。
晃
「千歌と琴音に、連絡しとく。」
夏奈
「え……?」
晃
「今、夏奈ひとりにするの」
「よくない気がして。」
そう言って、晃君は私の顔を覗く。
そして私の顔色を気にする。
……そんなの。
嫌なわけ、ない。
ってか……近い!
晃君は電話をかけて、
少し距離を取るでもなく、
私の隣に座ったまま話し始めた。
「あ、千歌?」
「今、ちょっとそっちに戻れない。」
「夏奈がさ……」
「少し、落ち込んでて……」
理由までは、
詳しく言わない。
「今、俺が一緒にいる」
「だから、後で合流する。」
「琴音にも伝えといて。」
電話を切ったあと、晃君は私を見て言う。
晃
「勝手に決めて、ごめん。」
夏奈
「……ううん」
「ありがとう。」
むしろ、
胸の奥が、
じんわり温かくなった。
この人の隣、今は……離れたくない。
少し時間が経って。
私は、静かに決めた。
千歌にも琴音にも、
晃君を好きになった事は話そう。
そして、別れた話しも聞いてもらおう。
中途半端に、隠したくない。
友情も、この気持ちも。
全部、大事にしたいから。
夏奈
「ね、晃君……」
晃
「ん?」
夏奈
「……今度、」
「千歌ちゃんと琴音ちゃんに」
「別れた事話すね。」
晃
「それでいいと思う。」
その言葉が、
背中を押してくれた。
夏奈 side 終わり


