君の事好きになっても良いですか?


俺達のメイド・執事カフェは
想像以上の反響で、常にお客さんが絶えない。

夏奈も遥陽とバタバタと接客をこなしていた。

俺も、淡々と接客をしているけど……
琴音が早く来ないのかと時間ばかりが
気になって気になって仕方なかった。

今日は必要以上に女子に絡まれて、
正直だいぶん疲れが溜まっていた。
そんな中、少しお客さんが減った頃
ガラリ、と教室の扉が開いた。


理央
「おかえりなさいませ――」


私は2年2組の扉を開ける。

聞き慣れた声。

執事服に身を包んだ理央が、
カウンターの向こうから丁寧に頭を下げる。

かっこいい///。
理央の執事姿がかっこよくて、
一瞬でその場がキラキラとネオンのように
輝いて、理央の姿しか見なくなって
目が離せなくなる。


私の身体全身が熱くなる。
こんなの……ずるい……
理央、かっこよすぎるよ……。

理央
「お嬢様……」


そのまま顔を上げた瞬間――
俺の視界に飛び込んできたのは、
琴音の肩に手を置いたまま、
隣に立つ晃の姿だった。


一瞬、
時間が止まる。



……は?

何してんの?

胸の奥が、
一気に熱を帯びる。

なんで、そんな触り方してんだよ。

晃の手。
琴音との距離。
そして、驚きながらも拒まない琴音。

理央の中で、
嫉妬と対抗心が一気に膨れ上がった。


……見せつけてるつもりか?
だったら――


理央は、
ゆっくりとカウンターの中から出てくる。


その動きに、
クラスメイトも客も、
自然と俺に視線を向けた。




俺は琴音の前に立ち、一度晃を見る。


「……っ!!」

無言の視線。
でも、はっきりとした宣戦布告。

そして、
視線を琴音に戻すと――

理央
「……お嬢様。」


執事としての声色のまま、
けれど、誰よりも近い距離で囁く。

理央
「本日はご来店、ありがとうございます。」


琴音
「……へっ!?///」

次の瞬間。

理央の手が、
迷いなく私の腰に回された。


ひゃっ!!
ちょっ……!ちょっと待って!
全然状況が追いつかない!
理央がみんなの前で積極的に
こんな行動取るの初めて……。

晃の手よりも、
はっきりと、
逃げ場のない位置。

空気が、凍る。