理央は、スマホを手に取る。
画面越しの琴音の名前を見つめ、
しばらくそのまま動かなかった。
信じるって、覚悟だよな…。
信じるのは、楽じゃない。
相手を疑わないことじゃなくて、
不安を抱えたまま、手を離さないことだ。
理央は、そっとスマホを置く。
晃……。
心の中で、名前を呼ぶ。
お前がどんな気持ちでいるのか、
分からないわけじゃない。
でも――
譲るつもりはない。
琴音は、俺の恋人で彼女だ。
その事実だけは、
誰にも、揺らさせない。
俺はベッドから、ゆっくりと立ち上がり
カーテンを少し開け、窓を半分開けると
夜風が、部屋に入り込む。
……正面から、向き合うしかないな。
晃とも。
琴音とも。
そして、自分自身とも。
逃げない。
疑いすぎない。
でも、目は逸らさない。
理央は、胸の奥でそう決める。
それは、
晃の“覚悟”とは違う形の、
俺なりの覚悟だった。
理央 side 終わり
第17話 晃の隠し事
END


