ちょっと皆がいる前で、
近すぎだろ……
理央の、スキンシップははっきりしていた。
”彼氏”としての特権を遠慮なく使ってる。
だけど……俺だって……。
俺は、琴音が曲を探しながらタブレットを
見ている隙にさり気なく琴音の袖を
引っ張る。
晃
「琴音、喉乾いてない?」
琴音
「確かに(笑)」
「喉乾いたかも!」
晃
「じゃ、はいこれ。」
「レモンティー琴音好きだろ?」
そう言って俺は、琴音に自分のレモンティーを
琴音に渡しそのま距離を縮める。
琴音
「晃、ありがとう!」
……わかってる。
悪気がない事も、琴音が拒まない理由も。
だけど、琴音は俺の彼女だから、
譲る気なんて更々ない。
俺は、琴音と晃の距離を離したくなって
琴音の腰に手を回しグッと、
自分の方に引き寄せた。
理央
「琴音、俺となんか歌おう。」
琴音
「うん!」
「じゃ、青空ワールドのOP曲」
「一緒に歌おう。」
理央
「良いね、あれ丁度デュエットだし。」
夏奈
「わぁー!」
「Dear歌ってくれるの!?」
「嬉しい!」
琴音
「夏奈ちゃんこの曲大好きだもんね♪」
遥陽
「琴音ちゃんの歌声が楽しみ。」
千歌
「私も!」
「琴音ちゃんとはカラオケ初めて」
「だもんね。」
また、琴音は人前だと歌うのを控えめにしてる。
俺は琴音が歌上手い事は昔から知ってる。
琴音は将来、歌手になりたいって
言って、ボイトレにも通ってたぐらいだから。
中学まで行ってたボイトレ教室が
閉校になり、琴音もあまり歌手に
なりたいとか言わなくなった。
俺だけが知ってる琴音の特技……。
それを自慢したくて俺は会話中、
口を挟んだ。
晃
「琴音、上手いよ歌唄うの。」
「歌手目指して、ボイトレ通ってたんだもんな!」
ちょっ……ちょっと!
晃、なんで今その話しを持ちかけてくるの!
ハードル上げないでよ。
私……そんな上手くないよ……。
歌手目指してたのも本当だし、
ボイトレにも通わせてもらってたのは
本当……。
だけど、私は新しい夢を見つけたから
そっちを磨きたくて、歌手になる
夢は諦めた。
理央
「えっ!?」
「琴音そうなの!?」
「知らなかった。」
「琴音の歌う声楽しみ。」
晃……わざと言ったな。
絶対、俺だけが知ってるアピールを
したかったのだろう。
まぁ、そのお陰で琴音の新たなる
一面が見れたから良いけど……。
琴音
「あっ……!晃!」
「なんで言うの!?」
私は、晃の背中を両手の拳にして
ポカポカと叩いた。
晃
「別に、減るもんじゃないし」
「いいだろー!」
「俺も久しぶりに聴きたいしさ。」
「後で、ソロで歌って。」
そう言いながら、俺の心は今舞い上がっていた。
昔みたいに琴音とじゃれ合えてるのが
嬉しくてたまらない。
背中から伝わる琴音の手の体温に、
俺は幸せを感じた。
千歌
「私も聴きたい!」
遥陽
「俺も!」
「千歌、俺らもなんか一緒に歌おうよ。」
千歌
「良いよ♪」
夏奈
「私も♪聴きたい!」
「あっ、理央もそこそこ歌上手いよね!」
理央
「そこそこってなんだよ(笑)」
「まぁ、とりあえず琴音歌うよ!」
琴音
「あっはい。」


