君の事好きになっても良いですか?

* 琴音*

朝、目が覚めた瞬間、胸が少し熱くなる。

今月、理央君と恋人になった……
それが未だに現実ではないような気がする。

だけど、あの日綾部駅付近の川沿いの
ベンチでちゃんと理央君への想いを伝えて、
受け取ってもらえて。
それを思い出すと現実なんだと実感する。


「……今日恋人になって」
「最初のデートだ……。」


ポツリと呟く。
心臓が跳ね上がる。

”初めてのデート”
”恋人になってからの初めて”

その言葉が、頭の中で何度も回転する。


服を選びながら、ふと晃の顔が浮かんだ。
幼なじみとして過ごしてきた長い時間、
私は気持ちに気付いてあげられなかった。
傷つけてしまったと言う後悔が、
今も胸の奥に残っている。


でも───
私は、理央君が大好き。
一緒にいると、自然に笑えて未来までも
想像してしまう人。


鏡に映る自分は、少し緊張した表情だけど
どこか嬉しそうな表情は隠せなくて。
頬に手を当てると、熱があるみたいに
温かい。


”キスとか……しちゃう……の……かな。”


そんな事を考えを浮かんだ瞬間、
慌てて首を振る。
わっ……私何を考えてるの!?
恥ずかし……///
だけど……嫌じゃない。

今日がただ、楽しいだけの日ではなく
恋人として一歩進む日になる予感を、
私は密かに感じていた。
というか願望なのかもしれない……。




琴音 side 終わり