「私ね、」
「理央君が”待つ”って言ってくれた」
「時ね、すごく救われた。」
私は小さく笑う。
「私……ずるいよね。」
夕日が私の前髪を優しく揺らす。
「ずるいってわかってても、」
「それでも……」
「私は理央君が大好きなの。」
「もう、理央君なしでは無理に」
「なっちゃった。」
カアーッと顔が熱くなるのがわかる。
私、今、あなたに伝えるよ。
「理央君が好き……大好き。」
「私と付き合ってください。」
琴音ちゃんの言葉が俺の耳の奥に
入ってくる。
一瞬で周りの音が消える。
川の音も
風の音も
人の喋り声も
彼女の声だけがスローモーションで
俺の全身に響いた。
「……っ」
「……本当に?」
間抜けな声が出てしまう。
でも、現実じゃないように思えて
俺は確認せずにいられなかった。
琴音ちゃんは顔を赤く染め、
照れながら大きく頷いた。
次の瞬間、気付いたら手を伸ばしていた。
琴音ちゃんの指先に触れる。
「……琴音ちゃんありがとう。」
声……俺、めっちゃ震えてる(笑)
「俺、正直無理なのかなって」
「諦めかけてた。」
「この5日間しんどかった。」
そして俺は笑顔で言う。
「俺も琴音ちゃんが大好き。」
「初めて自分から好きになった人。」
「俺、一生大事にする。」
「俺にも言わせて?」
「うん。」
「琴音ちゃんと恋人になりたい。」
「俺と付き合ってください。」
「はい///。」
指先に触れてた理央君のては、
私の指と指の間に絡めて、
恋人繋ぎに変わる。
その繋がれた手はすごく温かく、
落ち着く。
私、理央君を好きになって良かった。
涙が溢れそうになる。
川沿いのベンチ。
綾部駅の近く。
ここは理央君の場所で。
そして、私達の大切な場所……
私達の始まりの場所になった。
しばらく、互いに言葉が出なかった。
繋いだ手を離したくなかった。
だけどこのまま琴音ちゃんを
帰さないわけにもいかず
俺は口を動かす。
「琴音ちゃん、帰ろっか。」
そう言いながら、
本当はもう少し一緒に居たい。
琴音ちゃんは首を左右に振り、
呟く。
「もう少し一緒に居たい。」
その言葉だけで、きゅんと胸が鳴り
続ける。
夕焼けがどんどん夜に変わって
いく時間。
私はまだ、恋人になったって言葉に
現実感を持てないでいた。
夢ではないのかとまで疑ってしまう。
だけど、理央君の手は確かに私の手に
重なり合ってて……
それだけで全部本当なんだと実感する。
「ねぇ、理央君。」
「ん?何?」
「理央君の夏休みまだ、」
「空いてる日ある?」
理央君は驚いた顔をする。
「全然あるよ!」
「俺、結構暇人(笑)」
「じゃ……」
「恋人になって初めての」
「デートに行き……たい……な……って。」
はずかしすぎるあまり、
言葉がタジダジになってしまった。
言い終わった瞬間、頭から火が沸騰する
くらい頭から顔が真っ赤になっているのが、
見なくてもわかった。
恥ずかしすぎてまともに理央君を見れないよ。
!!!//////……ヤバッ……。
可愛すぎない!?
もう俺、琴音ちゃんが可愛すぎて
言葉が出てこなくなる。
「……それ、」
「俺も同じ事言おうとしてた。」
「行こう!デート!」
「恋人になって最初のデート。」
俺は少し間を置き……
「琴音ちゃんの浴衣姿も」
「すごく可愛いし、制服姿も可愛いけど」
「もっと私服が見たい。」


