悩んでいるのか、既読だけのまま返ってこない。
<今花鈴ちゃんお風呂だから、こっそり出る>
おっ!
そうこなくっちゃ。
<裏口の外集合>
ゲームに没頭してる遥人を置いて、カーディガンとブレザーを持って部屋を出る。
先生が見回りしてる気配は無い。
裏口を開けて、沙夜ちゃんを待つ。
「お待たせ」
声を潜めて、沙夜ちゃんが来る。
女子の部屋は1フロア上だから時間が少しかかったんだろう。
「さっっっむ!」
「沙夜ちゃん…え、上着は?」
「日本の最北端なんてことは忘れていました」
抜けてんな…俺の可愛い彼女は。
知ってる?
5月の札幌の夜は、5~10℃だよ。
沙夜ちゃんにブレザーを肩に掛けて、俺はカーディガンを着る。
ぶかぶか…なんだよ、可愛すぎかよ。
俺は、額にちゅっとキスを落とした。
上目遣いで俺を見て、へへへと笑う。
付き合いたてなんか、そんな顔してくれなかったのに。
で?
お風呂上がりだから、部屋着姿。
なかなかの攻撃力の高さ。
毎日見せてください。
当然シャンプーの香りもする。
いつも使ってるやつなのは分かるけど、いつもより強く感じる。
良い香り。
毎日とは言いません、毎時嗅がせてください。
溜め息が出る。



