「ここからは自由散策です。遅くても、16時20分には出口付近に来るようにしてください。では」
と、蒼井さんから注意が入る。
蒼井さんとシノン、俺と沙夜ちゃん、綾波さん、遥人、と分かれた。
さあて、沙夜ちゃんとのデートの時間だ。
沙夜ちゃんには内緒で、しっかり調べてある。
旭山動物園に限らず、どの観光地でも。
どういう所で、どんな注意点があって、とか。
特に自由散策がある所は重点的に。
「沙夜ちゃん、ちょっと坂とかもあったし、疲れてない?」
「あー、うん。はしゃいでたのもあるし、少し」
「うん、椅子あるしちょっと座ろ」
椅子に腰掛け、俺は1度手を離して立ち上がる。
「ん?絃くんトイレ?」
「ううん。ちょっと待ってて」
小走りで、調べた売店へ向かった。
生乳100%のソフトクリームを買いに。
両手にソフトクリームを持って急いで戻る。
「絃くん?」
「お待たせ、はい!」
「ソフトクリーム?」
「北海道といえば、じゃない?」
沙夜ちゃんは受け取って、1口頬張る。
「おー、濃厚!絃くん、ありがと!」
そうそう、その笑顔が見たかったの。
「食べんの速くない?絃くん」
まだ半分くらいの沙夜ちゃんが言う。
「アイスは飲み物」
「…言ってることが80kgオーバーなんだけど」
「60kgかな」
「王子谷絃、60kgって、プロフィールに書いとかなきゃ」
「そんなんあんの?」
「事務所のプロフィール」
「事務所なんか入ってないです」
「えっ」



