「…私の彼氏に、躊躇なく話しかけるから」
ぼそりとそう言った。
続けて。
「私の彼氏に、躊躇なく触れるから」
落とした声のトーンに、渦巻く黒さを感じた。
「だから…嫌い、少し」
「そっか」
そっか、とは言ってみたものの。
「それヤキモチじゃなくて?」
自分の彼氏に、簡単にちょっかいかけてくる女子が目障りってだけじゃないの?
「要するに、彼氏である俺のこと、好きってことじゃないの?」
自惚れてみた。
いやでも、こんなの自惚れるしかないでしょ。
「沙夜ちゃんにだって、独占欲があるってことだよ。俺のことが好きで、他の子に触られたくない、他の子と話してほしくないって。自覚ある?」
「別に、そんなんじゃない」
「じゃあ何?説明して?俺のことが好き、独占欲。それ以外にもしあるなら」
「…腐っても一応彼氏だから?」
「腐ってもって、俺ゾンビか!」
そんなツッコミは置いといて。
「じゃあ切り口変えようか。俺とどうなりたい?」
「どうって…?」
「酷いことされたから別れたい。いやいや、好きだから付き合ってたい。他にあればそれ聞かせて?」



