「帰ってよ」
いつもより少し低い声のように感じた。
「沙夜ちゃん…?」
「何しに来たの?」
「こないだのこと、顔見て直接謝りに来た」
彼女は溜め息をついた。
「もういいよ、聞きたくない」
「聞きたくないって、許してくれるってのとは違う…」
体を起こして、キッとした目を向けてきた。
「帰ってってば!」
「嫌だ、別れないよって、許すよって、言ってくれるまで…」
「帰って!」
聞いたことないような大声で言って、枕を投げつけてきた。
ゲホゲホと強く咳をし始めた。
「え、沙夜ちゃん?」
「いいから、帰って…」
近寄って触れようとすると、パシーンっと叩かれる。
とりあえずナースコールを押した。
「邪魔だと思うから帰るね。また、明日」
看護師さんとほぼ入れ違いで帰る。



