冬休みが終わり、学校へ。

一縷の望みをかけて駅でいつものように沙夜ちゃんを待つ。

ギリギリの8時20分まで待つけど、来なかった。

さすがに遅刻になるため、走って1人で学校へ向かう。

教室に着く。

先に来ているわけでもなかった。

沙夜ちゃんはいなかった。


「ねえ、沙夜は?!」


すごい勢いで穂華が聞いてくる。


「え…」

「なんで休んでるんだろうって思って、さっきLINEしたの。いつもレス速いのに、返ってこないんだけど!」

「俺だって知りたいよそんなの!」


逆ギレしてしまった。

まずいと思い、一度息をつく。


「1日に会って、沙夜ちゃんのこと傷付けた。…それから電話もLINEも繋がらない」

「はあ?!相談してよ!バカ!絃のアホ!何したの!」

「…手を出しかけて、怖がらせたのかと」

「クズ!」


担任が教室にやって来て、席に着くしかなくなる。

とうとう沙夜ちゃんは来なかった。

出欠をとっていると、


「三倉…は、肺炎で入院してしばらく欠席ね。はい、次…」


肺炎?

後ろを向いてきた穂華と目が合う。

HR終わりに穂華の元へ。


「沙夜ちゃんからLINEは?」

「来てない。けど、居所は分かったね。心配、肺炎って…」

「ああ…風邪、拗らせたかな」

「思い当たる節でも?」

「俺の家飛び出して行った時、上着忘れていったから」

「なるほど。とにかく、辛抱強く連絡してみる」

「了解」