電車に揺られ、家に着く。
普通の何の変哲もない二階建ての一軒家。
「お邪魔します」
「うん、入って入ってー」
靴を律儀に揃えて、俺の後ろをついてくる。
沙夜ちゃんらしいな。
俺の部屋に通す。
急に呼んだから、めちゃくちゃ片付いてるわけではないけど、特別とっちらかってるわけではない…はず。
「適当に荷物置いていいよ。あ、ハンガーこれ使って?」
「あ、うん」
着ていたアウターをハンガーに掛けて、俺は受け取ってクローゼットの取手に掛ける。
「洗面所どこ?」
「手洗うのか、俺も行くからついてきて」
一緒に手を洗ってまた部屋に戻ってくる。
…るんるんで呼んだのはいいけど、いざ呼ぶと緊張で心臓が踊りまくっている。
「部屋にテレビあるんだね、いいな」
「へっ?!ああ、うん。サブスクのアニメとかドラマしか観ないけど」
へっ?!なんて、声を裏返す。
「どうしたの」
不思議そうに見つめてくる。
沙夜ちゃんが冷静なのが、逆に変な気がしてくる。
「いざ沙夜ちゃんと家で2人きりって考えたら、変に緊張するっていうかさ」
「…そう」
冷静というより、少し冷たささえ感じた。
いつもだけど、感情が分からない子だ。
ほんとに。



