「昨日は何時まで起きてたの?」

「1時くらい」

「沙夜ちゃんのことだから、あけおめって来ないかなって思ったよ。寝るの早いからさ、いつも」

「学校の前日だけだよ」

「へ、そうなの?」


知らなかった。

なんか悔しいしモヤモヤするし。


「休みの日の前日、寝るの遅いなら俺と話そうよ」

「…友達との時間とか、どうしてるの?」

「ん?俺?なんか心配されてる?」


まあ確かに、沙夜ちゃんという彼女ができてからは、明達とあまり絡んではいない。

朝は沙夜ちゃんの元へ。

昼休みは沙夜ちゃんと一緒に過ごす。

放課後は沙夜ちゃんと駅まで一緒。

帰宅後は宿題やって、ゲームして、漫画読んで、少し沙夜ちゃんとLINEすることもある。

あれ…明達どこ行った?


「沙夜ちゃん好きすぎて、友人関係疎かにしてたわ…」

「穂華ちゃんと話してるところは、たまに見るけど」

「ああ、あっちからからかってくるからね」

「友達あまりいない私はさておき、友達いるなら大事にした方がいいと思う」

「そう?」

「恋人は別れたら終わりだけど、友人は一生ものだよ」


横にいる沙夜ちゃんは、前を向いたまま多分悪気なくそう言った。


「沙夜ちゃんのことは一生愛してるから、別れることないよ」

「…そっか」

「だから、沙夜ちゃんとの時間がいっちばん大事」


沙夜ちゃんは嬉しそうにせず、目を伏せて息をついた。

やはり考えてることが分からない。