しばらく待っていると、椅子が1つ空く。
「沙夜ちゃん座りな」
「いいよ、私だけなら」
「いいの。取られちゃうよ、ほら」
沙夜ちゃんを座らせて、俺はその前でしゃがみこんだ。
「まだ俺ら高校生だからさ、ファミレスで精一杯だけど、大学生とか社会人になったら、フレンチとか?レア肉とか?予約して行けたらいいね」
さりげなく、大人になっても一緒だよと伝える。
沙夜ちゃんがどう考えてるかは分からない。
他に好きな男ができるかもしれない。
だけど、俺が愛する女の子は、もう生涯で沙夜ちゃんしかいない。
「これから毎年、クリスマス一緒に過ごす相手は、沙夜ちゃんだけがいい」
いつも通り何考えてるのかよく分からない表情で、俺を見つめる。
うんも嫌も言わない。
嫌なんて言われたら、ちょっと生きていけないんだけどさ。



