早速恋人繋ぎで手を取り、街へ繰り出した。


18時を回った外はもう暗くて、人は多い。

ネットでチケットを取っておいたので、寒い中並ぶ必要なし!

俺ってば最高の彼氏かよ!

なんて冗談はさておき。


「わー、人混みすごいね」

「クリスマスだからね」

「はぐれちゃダメだよ」

「…はぐれないよ」


何か意味を含んだような言い方だった。

なんだ?手繋いでるから、とか?


中は色々なイルミネーションでキラキラしている。

すごいねー、綺麗だねー、と散策。


1時間ちょっとで回りきっただろうか。

さすがにお腹が空いてくる。


「お腹空いたよね」

「うん」

「混んでるだろうなぁ…まあ、行ってみる?」

「うん」


少し駅から離れたファミレスに行ってみる。

それでもやっぱり30分待ちは当たり前なようで。


「どうする?ここでいい?それとももっと探す?」

「もっと遅くなるよ」

「じゃあ…待とうか」


沙夜ちゃんはコクリと頷いた。

紙に王子谷と書いて、ごった返してる入口で待つ。