クリスマス当日。

週末だから、休みの日だけど沙夜ちゃんに会える!

付き合って初めて、休日に会う。

イルミネーション見て、夕飯食べて帰る。

それだけでいい。

プレゼントは、沙夜ちゃんの時間で。

沙夜ちゃんの私服で。


イルミネーションのやっている施設の最寄り駅で待ち合わせ。

俺の方が先に着いているようだ。


<どこ?>
<駅には着いた>


と、LINEが来る。

俺はそれだけ見て、パッと沙夜ちゃんを見つける。


「こっちー!」


大きく手を振ると、彼女は彼女でパッと俺を見つけてくれる。

小走りでこっちに来てくれる。

白と黒のバイカラーのブラウスに、千鳥格子のティアードスカート、黒のストッキングと黒のブーツ。

上に白のもこもこしたアウターを羽織って、いかにもデートって服。


「やば、可愛い」

「へ…」

「ちゃんとデート服着て来てくれたんだ」


彼女は困ったように微笑んだ。

どんな反応すればいいか分からないよ、と。


「ねえ」

「ん」

「今日は特別な日だからさ…手、繋いでもいいです、か?」


悩むように彼女は俺から一瞬目を逸らした。

で、またこちらに目を向けた。


「んっ」


軽く沙夜ちゃんは頷いた。

心の中で大きくガッツポーズする。