「何があっても俺と沙夜ちゃんは別れない。約束したんだよ」
「へえー。最近、目もろくに合ってないのにですか?」
クリティカルヒット!
「結婚して法律的に守られた約束でもないのに。幼稚ですね、王子谷先輩っ」
楽しそうに央翔は笑った。
既に削られまくってるHPで、2連続クリティカルヒットはしんどいて…。
まあ、こっちも武器はある。
「でも央翔も大変だな」
「何ですか?」
「お兄ちゃんが、沙夜ちゃんの前の好きな人だったみたいじゃん。で、今沙夜ちゃんのこと狙ってるんでしょ。兄弟で同じ女の子狙ってるとか、なかなかしんどー」
みるみる央翔の表情が強ばっていった。
「…は?兄貴が、沙夜ちゃんのこと好き?」
知らなかったのか、なるほど?
央翔は何やら電話をかけだした。
「もしもし?」
「なんだ、今校門の前だけど」
「沙夜姐のこと好きってマジかよ」
「なに、そうだけど?」
「ふざけんなよ聞いてないんだけど!」
「なにキレてんの」
「笑い事じゃねーよ、おい!」
央翔は教室を飛び出していった。
あー、殴り合いの喧嘩かなー。
警察沙汰にならなきゃいいなー。
と、呑気に思っていた。



