彼女は、迷惑そうな?悲しそうな?どっちとも取れる顔で黙っていた。

荒れてない柔らかな唇に、魔性の魅力を感じてしまう。


「やばい、ハマる」


啄むように、フェザータッチのキスを繰り返す。

ダメだ、我慢できない。

気付いたら口を舌でこじ開けて、舌を絡めていた。

沙夜ちゃんは俺にされるがまま。

腰に手を回しているため、沙夜ちゃんは動けない。

息が切れて、唇を離した。

お互い息が切れていた。


「沙夜ちゃん涙目じゃん」

「やだって言ったのに…」

「俺とのキス、そんな嫌?」


そう聞くと、彼女は涙目のまま黙ってしまった。

俺には好きとも嫌いとも言ってくれない。