週末、本当にそのオーダーで、いつもの美容師さんにカットしてもらった。
「絃くん、高1の冬くらいから、急に大人っぽくなったよね」
「そうですかー?」
「彼女できたのそんくらいじゃない?」
「ですね、12月です」
「そりゃかっこよくなるわ。元々僕んとこ贔屓にしてくれてたけど、めちゃくちゃ輝いていくなこの子って思ってて」
「褒めても、チップ出さないっすよ」
「あはは!でもマジマジ。今日は?彼女から、これやって!って?」
「どんなんがいい?って聞いたら、さっき言った内容を特にカタログ見るわけでもなく言ってきて」
「絃くんのことめっちゃ分かってるじゃん」
「ですよね」
なんて、いつもの美容師さんと話す。
施術が終わって鏡を見ると、今まで見たことのない俺がいる。
「わー、絃くんの顔になりてぇー」
「いやいや、カットの腕ですよ」
「いえいえ」



