沙夜ちゃんは、しょうがないなー、とベッドから下りて、ついでにスプレーを俺から受け取って、アイロンを手渡してきた。
「あと何がいるの?」
「んと、霧吹きとワックスとキープスプレーかな?」
「今からデート?それも人気女優と」
「愛する彼女と仲良く登校」
ニコリとすると、苦笑いされる。
なんだよ!
間違ったこと言ってないじゃん!
「ワックス、女性用でいい?多分大和、天パだからワックス持ってない…」
「沙夜ちゃんあるの?沙夜ちゃんそこそこ長さあるから、無いかと思いながらダメ元で言ったんだけど…」
「中学生の時ずっと、クセ毛なのに短めのボブだったからね。ふわーってなるからワックス使ってたよ。古いけどそれでいいなら少し残ってる」
「何それ、ボブ沙夜ちゃん見たい!」
「芋すぎるからやだ。てか高1の最初も長めのボブじゃん」
「確かに!」
俺のためにヘアセットグッズを用意して、沙夜ちゃんは部屋を出る。
「支度してくる」
「うん」



