「少し、進展しない?」
「進展…?」
「沙夜ちゃんに触れたい」
彼女は俯いた。
そしてふるふると首を横に振る。
「…今日はやだ」
「教室に2人きりってなかなかないよ?」
「でも…」
少し泣きそうな顔をした。
「2日目と3日目の間だから…臭くない?」
「え?」
「あまり近付かないでほしい…」
2日目?3日目?
…ああ。
「女の子の日?」
彼女は今にも泣きそうな瞳で、目も合わせてくれずに小さく頷いた。
「どうしたの、大丈夫だよ?特に気にならないよ」
俺は立ち上がって、立ち尽くす彼女に近付いた。
大丈夫だと言っているのに、彼女は後ずさり。
「あのさぁ…」
よほど臭いと思われるのが怖いのか、握る拳が震えている。
本当に匂いなんてしないのに。
俺は一気に距離を詰めて、逃がす間もなく抱き締めた。
「やだ、離れて…」
「一緒に住むってなって、女の子の日きたらどうするの?俺同じベッドで寝る気満々だし、家の中ではずっとくっついてたいんだけど、そうやって月に1度、1週間近くよそよそしくされるの?俺」
「気が早い…」
「でもそういうことでしょ?やだよ俺。臭くなんかないし、大丈夫って言ってんだから信じてよ」
「うん…」
納得したっぽいから、1度離れた。
思いの外顔が近かった。
近距離で上目遣いするのはなかなか技あり。
こんなんキスするしかないじゃん。
どさくさに紛れて、唇を重ねてみた。
沙夜ちゃんのファーストキス、かな。
貰っちゃった。



