部屋の外から音がしだす。
ご両親か大和か。
相変わらず…起きないな、沙夜ちゃんは。
「沙夜ちゃん」
普通に呼んでも反応無し。
知ってた。
「沙夜ちゃん」
テレビのリモコンで言うところの、3くらいボリュームを上げた。
ダメだ起きない。
一縷の望みをかけてボリューム上げたのに起きない。
ほっぺをぷにぷに触る。
起きない。
ほっぺをつねる。
起きない。
大丈夫?
生きてる?
揺すって、
「沙夜ちゃん起きてー!」
と名前を呼んで、ようやっと気怠げに目を開けた。
「あと3分…」
「やだー!」
何も答えてくれない。
3歳児か!
とかすら言ってくれない。
「ヘアアイロン貸してほしいんだよー」
「んー、その辺にある…」
腕を伸ばして、テキトーにぐるぐる回されても分からないよ沙夜ちゃん…。
「ふんっ!」
腹を決めたのか、沙夜ちゃんは起き上がった。
俺を見て、えーっという顔をした。
「何だよう」
「別にいらなくない?アイロン。おやすみ」
「やだー!俺、沙夜ちゃんに毎日私の彼氏かっこいいって密かに思われたくて、毎朝毎朝やって…」
「毎日かっこいいかっこいい、おやすみ」
「雑!世界一雑なかっこいい!寝ないでお願いだから!」



