激甘な溺愛は警報級

ドライヤーを終わらせて、


「沙夜ちゃんー?」


と呼ぶ。


「なに」

「ヘアアイロンある?ストレートの」

「あるよ。…コンビニ行くだけですけど?」

「なんか髪型気に入らなくて」

「国宝なりに、大変ですね」


すごい他人事みたいに言う。


「あ、貸してくれない感じ?」

「早くコンビニ行こうよ…お腹空いたあ」

「分かりました」


沙夜ちゃんの言うことは聞きます。

仰せのままに。


リビングに行き、部屋着を畳むついでに嗅いだ。


「くっさ」

「へえ?絃くん、臭いばっかじゃん」

「さすがに4泊分着たら臭いって。しかも金曜土曜ってお風呂入ってなくてさ」

「汗臭い感じ?」

「かなぁ?」

「消臭スプレーでもする?」

「うん…」

「ちょっと待ってて」


恐らく部屋から、ピンク色のスプレーを持って来た。


「甘めの香りだけど…」

「ありがと」


俺はぷしゅぷしゅ思い切りかけた。

女の子のあまーい香りが周囲を纏う。


「かけすぎ…」

「え、そう?」


沙夜ちゃんは顔を顰めた。

満足いくまでかけると、俺から受け取ったスプレーを、沙夜ちゃんはソファに雑に投げつけて、玄関に向かう。

なんかちょっと面白かった。