「えっ、いや…」
あせあせ、という擬音が正しいだろうか。
当たる所は当たってるし、恥ずかしがってる様子。
「重…重いよ?」
「沙夜ちゃんの体重は心地良いんだよ?」
ああ、その心配もしてたか。
「ねえ、たまには沙夜ちゃんからちゅーしてよ。沙夜ちゃんから、してくれたことないじゃん」
「んん…」
「でしょ?」
沙夜ちゃんの表情は、暗がりだから分かりにくいけど、意を決したのかギュッと目を閉じて、緊張したように固く閉じた唇を重ねてきた。
付き合いたてかな?
「唇同士を当てればいいってわけじゃないんだよ、沙夜ちゃん。もっと唇柔らかくしてみて?」
キスの仕方レクチャーしてくる彼氏嫌だな、はは。
レクチャー通り、唇をギュッとせず重ねてくるけど、一瞬だけ啄む感じだから、なんとなく物足りなくて、意地悪したくなってくる。
「沙夜ちゃん、もっと甘々なのして?舌絡めてみてよ」
沙夜ちゃんの頬を触れると、熱いのが分かる。
何、恥ずかしがってるの?
可愛いなぁ、沙夜ちゃんは。
そりゃ、意地悪したくなるわ。



