「わっ、どしたの絃くん」
顔を上げれば、お風呂上がりほやほやの沙夜ちゃん。
ドライヤーすらしていない。
「半径2m以内に立ち入らないでください…」
「なんで…昼とは真逆じゃん」
「俺、激臭放ってる…」
「情緒不安定?なになに、どうしたの?」
近付いてくる沙夜ちゃんを、手で止めた。
「ダメです!」
「今度は何よ絃くん…」
「大和に、病人臭いって言われた」
「あんの野郎…分かった、東尋坊にでも送っとく」
…なーるほど、沙夜ちゃんのことは一生裏切らず、敵にはしないっ。
「とにかく俺多分、余計な皮脂とかの匂いとかするんだよ。だから…」
「絃くんが臭いわけないじゃん」
「彼氏贔屓が過ぎる。過大評価って知ってる?」
「相性が良い人の匂いって、心地良いんだよ。この世で1番大好きな匂い。遺伝子レベルで、あるんだよ」
「まあそうかもしれないけど…」
「どうせ弟でしょ、絃くん気に入らないだけだから気にしない気にしない。顔面国宝に嫉妬してるだけなんだから」
「…大和も俺と負けず劣らずでしょ」
「は?絃くんの方がウン億倍イケメンだし、面白いし、好きなんだけど。比べるのも烏滸がましいわ」
なんかキレてる。



