勝てなさそうだから尻込みしたわけではないけど、さっき心が乱れたせいか、熱が上がった気がして、少しクラクラするからゲームは無しだ。
「ふぁー、眠たい」
「眠れてないの?」
「いや、ぐっすり。春眠暁を覚えずって言うじゃん?」
「…春?」
「ごめんテキトー言った」
沙夜ちゃんは、俺が寝ていた布団に向かって歩いて、さも当たり前のように入る。
「ん?」
「部屋戻ると絃くん泣きそうな顔するから、ここで寝る。おやすみ」
「泣きそうな顔って…いやあの…」
クラクラし始めたから俺も寝たいんだけど…。
てか泣きそうな顔してた?俺。
あと、昨日体拭いて、ドライシャンプーしただけだから、臭くないかな?!
「ストーップ!」
「なに…」
「だめ!俺も寝たいやっぱ!あと、なんか匂い気になる!俺昨日お風呂入ってない!」
「散々抱き締めておいて、匂い気になるはないでしょ。おやすみ」
すーっ…確かに。
確かにじゃない!
「いや俺寝るって…」
無言で、掛け布団を開けてきた。
おいおいおいおい、やっぱ警戒心って沙夜ちゃんの中には存在しない?!
体調悪いの知ってるからか。
昨日約束したからか。
だとしてもだよ…。
「ん?絃くんいる?」
「絃くんいる?じゃないよほんとにもう…」



