俺は沙夜ちゃんの手をがしっと握って、リビングまで引っ張る。
リビングの手前で、
「絃くん。…絃くん、ねえ絃くん、どうしたの?」
「どうしたのか俺でもわかんないよ」
「え?」
「なんか急に、どうしようもなく不安になって、居ても立ってもいられなくなって」
リビングに着いて、2人きりだと分かって俺はただ沙夜ちゃんを強く抱き締めた。
「私は、絃くんの傍からいなくなったりしないよ?昨日の夜、約束したじゃん」
「…トイレの後部屋行ったじゃん。沙夜ちゃんの嘘つき」
「あの…別れないよって意味ね?」
ガキか俺は。
ガキだ俺は。
分かってるよ、意味くらい。
切り替えよ。
離れて、ニコッとしてみた。
「沙夜ちゃん、昨日やってたゲーム何?ね、一緒にゲームしよ」
「絃くんは寝なさい」
「もう眠れない」
「ああそういう感じ?…うーん、でもゲームはダメ。また沙夜ちゃんに負けたー!悔しいー!じたばたって、熱上がるからダメ」
「俺のこと5歳児かなんかだと思ってる…?」
「私やり込んでるから強いよ」
「はあーん、俺が負けると」
「…物によるけど。昨日私がやってたやつなら、新規で絃くん始めても、まあまず勝てないと思う」



