いつの間にか眠っていて、夢を見ていた。
「絃くん」
優しい沙夜ちゃんの声。
「絃くん?」
えへへ…。
俺、自分の名前好きぃ。
「絃くーん」
この世で1番愛してる沙夜ちゃんが言うから、もっと好き…。
「絃くん!」
って夢じゃない!
ガバッと起き上がる。
「やっと起きたー。ご飯、できてるよ」
「あ…え…うん」
「顔面国宝と呼ぶには、だいぶ崩壊してたけど」
崩壊とか言わないでよ。
顔面国宝の座、奪われちゃうじゃん。
「俺、振られるっ…?!」
「振らんわ、別に顔だけが好きで付き合ってないし」
にぃっと笑ってしまう。
「いちゃついてないで、うどん冷めたら良くないよー」
「お母さん、今のは忘れて」
朝は温かいうどん。
優しい味…。
薄味とかではなく、こう…温かみがあるというか。
ソファに沙夜ちゃんは座っていてくれて、嬉しい。
「今日、土曜日だよね?俺寝ぼけてる?」
「土曜だよー」
「パパさん、仕事行ったけど…」
「ああ、休み不定期」
「そうなんだ…大変だね」
「んー、逆に有給取りやすいからいいんだってよ、今の職場は」
そういうこともあるのか。
なるほど。



