「このまま帰るのもあれだし、カフェとかどう?」
「うん」
カフェに入り、混んでいたためカウンター席に座る。
並んで座るのは、少し距離が近くてドキドキする。
でもこの機会だ、ツーショットなんか撮れないかな。
「沙夜ちゃん…ツーショ、撮りたい」
彼女は、カップを持ちながら頷いた。
カップを口元に持ってきて、パシャ。
「なんで顔隠すのー」
「顔出しNG」
「えー」
優しく微笑んでいるが、どう頼み込んでもカップはどけてくれなさそうだ。
そして、解散の時間になる。
そんな時間来なくていいのにな。
沙夜ちゃんとずっと一緒にいたい。
まだ叶わぬ夢。
駅にて。
「じゃあ、また来週ね」
「バイバイ」
優しく微笑んで、沙夜ちゃんはホームに向かった。
2日間会えないのか…。
土日なんて来なくてなくていい。
電車に揺られながら、クマのストラップを握っていた。



