沙夜ちゃんは、タオルを濡らしてレンジにかけた。
「ドライシャンプー?…そんなんあったっけ」
洗面所に向かったのか、ガタガタと音がして、これか!と声がする。
レンジからタオルを取り出して、あっつあっつあっつあっつ、と持ってくる。
「レンジやりすぎ」
「だね。ドライシャンプー、女性用だわ。フローラルの香りだって」
「まあ、いいんじゃない?」
最初にドライシャンプーからやる。
シューシューとかけると、結構すっきりする。
そんなこんなしていると、レンジをかけすぎたタオルは丁度いい温度になり、ブレザーを脱いで、シャツを脱ぎ始める。
「ちょちょちょ待ってよ」
「なに」
沙夜ちゃんは俺を見ないようにして、後ずさった。
「そんな、脱がないでよ」
「脱がなきゃ拭けないし、着替えられないけど」
「や…あの、ね?刺激強いって…」
「え?なんて?」
刺激強いって…消え入るような小声で言っていた。
あえて聞き直してみる。
元気かよ俺。
沙夜ちゃんは、そのままドアの方へ行こうとする。
「体調悪いなー。上半身だけでも、拭いてくれたら楽なんだけどなー」
「嘘こけ。…って言いたいけど言えないっ」
さっきぶっ倒れたの見てるからな。
沙夜ちゃんは地団駄を踏む。
とても悔しそうに。
服を脱ぐ。
「寒いな、早くしないと」
「あーもう!」
沙夜ちゃんは、こちらに来て、あまり見ないようにしながらタオルで拭いてくれる。
照れてるし。
恥ずかしがってるし。
なんかちょっと怒ってるし。
「かわいーね」
「黙れっ」



