沙夜ちゃんが、横着して自分のボストンバッグと俺のキャリーバッグを同時に持ってくる。
バカ…なのかな…。
重たいから俺、わざわざ来たのに…。
「寝巻きは、あっちで着てた部屋着でいいよね。あー、下着はそのままか。さすがにお父さんのとか大和の着るわけにいかないし」
「寝ぼけてたのか、下着ワンセット多く入ってる」
「そうなんだ。うん、ならそれ着替えて。私ちょっと、洗濯物出したり、荷物整理してくる」
「分かった」
2、3分してからママさんが、布団を持ってやってくる。
親子だな…掛け布団と敷き布団、別々の方が絶対楽だし速いのに、横着して同時に持って来てる…。
ソファの前に敷いてくれて、
「夕飯食べたり、食器の片付けしたりするから、しばらくうるさいと思うけど、遠慮せず横になっててね」
と気遣ってくれる。
「ありがとうございます」
「いいえー」
笑顔は沙夜ちゃんそっくりだ。
「あとで、温めたタオル渡すわね。シャワーとかお風呂、倒れたら危ないし。あとドライシャンプーがあったかな…」
えっ。
お風呂ダメなの?
沙夜ちゃんに臭いって思われちゃうじゃん。
「あと、食欲は?」
「食べやすくて、消化のいいものなら…」
「卵粥と、すりおろし林檎。食べられそう?」
俺はゆっくり頷いた。



