すくっと立ち上がって、
「初めまして!沙夜さんとお付き合いしてます、王子谷絃です…」
すうぅぅ…と、立ちくらみを起こして、絃くらいでしゃがみこみ始める。
「なんだ、沙夜の彼氏か。…どういう状況?」
「疲れがどっと出たらしくて、この子の荷物持って送ってきてくれたんだけど、玄関でぶっ倒れてね。とりあえずソファで休ませてるんだけど…」
「ああ…。大和は?」
「悪天候で飛行機欠航ですって。明日帰ってくるみたいよ」
暫し沈黙の後、パパさんは口を開いて、
「沙夜の彼氏は、彼の家に連絡して、泊まらせればいい」
と言った。
「そうしましょうか」
「俺は風呂に入る」
「はーい」
…大和の部屋に寝かされるんだろうか。
まさか沙夜ちゃんの部屋で一緒にってことはないだろうけど。
ソファに自力で戻り、ぼんやりする頭で沙夜ちゃんに目を向ける。
俺の方を、心配そうに見つめている。
「そうと決まれば、お客さん用の布団持ってこなきゃね」
「…あ、絃くんの荷物、玄関に置きっぱだ」
リビングに1人にされる。
倦怠感と悪寒がする。
うう…不安だよ、心細いよ。



