「待って待って、家まで来る気?」
「1日目の朝を思い出してみ?苦しそうに持ってきてたでしょ。帰宅ラッシュに座れずにこれ持って帰るの?」
「しんど…」
本音出たね。
「大和に迎えに来てもらうよ、シスコンだから来るって」
「そんなに家来られるの嫌なの?」
「違うよ?…途中まで一緒だけど、交通費とか」
「そんなの沙夜ちゃんからの甘いキスでペイだよ」
なんかすごい顔してるな。
追加情報言ってみよ。
「あとさっきスマホに通知来てたけど、沖縄の方、大雨と落雷で、飛行機飛んでないよ。遅延か欠航、今日中に帰ってくるかすら怪しいよ」
「へえっ?!」
ちょっともう、反応が面白い。
沖縄からの便が飛んでないのは本当。
だとしてもあの…付き合い始めとはもう、比べ物にならないくらい、表情豊かで。
笑いを堪えるのに必死だった。
「沙夜ちゃんどうしますか?」
「お願いします」
「それでよろしい!」
手に持っていたボストンバッグを、斜め掛けにして、キャリーバッグを引いていない方の手で沙夜ちゃんと手を繋ぐ。



