5時頃、モゾモゾして起きた。
沙夜ちゃんが目を覚ましたようだった。
「ごめん寝ちゃってた」
「今のうち、戻りな」
「うん」
沙夜ちゃんは本来の部屋に戻って行った。
寝不足な俺はどうしろと、あと1時間で。
おれのすいみんじかんかえして。
6時になって、うるっさいアラームが鳴動する。
チベットスナギツネが鏡に映る。
1時間睡眠…そりゃそうなるわな。
朝食会場ではぺかーっとした、くしゃみすら治した、制服姿の沙夜ちゃんが先にいる。
…俺が風邪引きそう。
「おはよ、よく眠れたかい?」
「おはよう。お陰様でー」
肩で寝るし、抱き枕みたいにするし、俺のこと彼氏というより寝具だと思ってる?
「顔面国宝、ちょっと眠そう」
「絃くんって呼ぼうね。そんでそれは、誰のせいかな」
自分の頭をコツンとして、テヘっとする沙夜ちゃん。
苦笑いするしかなかった。
朝食後は大荷物をまとめてでかい車にどかんと入れて、まあ恐らく空港へ持っていく。
8時半にホテルを後にして、元町ベイエリアへ移動する。
この時点で、班行動。
結構主体性を大事にする高校だから、あまりクラス行動しないっぽい。



