「貸し、ひとつ」
「シノン…助かった」
お説教は助かったけど、こっちは助かってない。
沙夜ちゃんも顔を出した。
添い寝状態。
事後かよ…いやなんでもないです。
そんなことを思っていると、俺に顔をうずめてくる。
ん…?
嬉しいより困惑が勝つ。
おい待て、2人きりではないぞ?
「沙夜ちゃーん?まずいですよ?」
「落ち着く」
落ち着…うん。
そっか。
ついでに腕を回してきた。
「沙夜ちゃん」
うーん、彼女の呼吸が緩やかになってきた。
あ、おしまいだ。
寝息って言うんだよね、これね。
「はあ…」
「え、寝ちゃったの?」
シノンの問いかけに、頷いた。
電気を消して、寝ることにした。
現実逃避。



