19時、函館山ロープウェイに出発。
先生…寒いって。
でも、夜景は楽しみ。
沙夜ちゃんと、夜景。
行ったことないから。
バスで10分ほどで、ロープウェイの駅に着く。
クラス行動だけど、手だけでも暖めようと、沙夜ちゃんの手を握っていた。
決して下心はない。
少しはある。
そりゃある。
19時半、函館山展望台で自由行動になる。
「ほら、沙夜ちゃん。100万ドルの夜景だよ」
「100万ドル…」
「円計算しないで」
ムード大事に。
ふっと、沙夜ちゃんが目線を逸らした。
「あっ、花鈴ちゃんと柳田くん」
「うん?」
暗がりで蒼井さんとシノンの2人が向かい合っているのが見えた。
シノンが蒼井さんの頭をポンポンして、軽く抱き締め合った。
俺の横で、沙夜ちゃんがにこっとしたのに気付く。
「ん?」
「星七ちゃんがお風呂入ってる間ね、昨日花鈴ちゃんと話したんだ。その時ね、函館の夜景見ながら、柳田くんにちゃんと好きって伝えたいって言ってたなって」
「なんだ、心配しなくても両想いじゃん」
「ん?心配?」
「シノンさ、修学旅行まで付き合えてるか分からなかった、って言ってたからさ。それでアドバイスめっちゃ聞いてきたのよ。愛情表現大事って伝えておいた」
「だから頭ポンポンからのぎゅっ、か」
「かなぁ?」
なんで2人して先輩面して考察してんだ。
それはさておいてだ。



