本気。

帆波から返してもらったジャージと体操服は帆波の匂いがついていて体育に集中出来なかった。


夕陽から「顔がキモイ」と言われるほどに。


…。


それから一週間、特に何も無い日が続いた。


帆波とはお互いに文化祭の準備で忙しいけど朝も帰りも一緒だから寂しくなかった。



いつも通り、夕陽と別館で昼食を済ませると…。


帆波が走ってきた。


後ろに……初めて見る男。


「はぁ……はぁ……朝陽……」


帆波は俺の後ろに隠れる。


こいつ、帆波をストーカーしてんのか?