本気。

「帆波ちゃんの衣装作れるなんて夢見たい!」


いつも私を『帆波ちゃーん』と呼ぶこの子は廊下側の1番後ろの席に座ってる杏奈(あんな)ちゃん。


「そんなそんな!杏奈ちゃんよく裁縫してるよね~衣装作れるなんてすごい!」


「将来はファッションデザイナーになりたいんだ!帆波ちゃんの体型を活かしたかわいい衣装を作るね!」


「すっごく楽しみ!」


「そういば……知ってる?転校生が来るんだって」


「え!?こんな時期に?」


「もし男の子だったら…帆波ちゃん狙われちゃうかもね!」


「いやいや!そんなことは無いよ~」


杏奈ちゃんは喋りながらもテキパキとメジャーを動かして用紙に記入していく。


「帆波ちゃん、人気なんだよ?ふわふわしてて癒されるし可愛いし!」


「もっとテキパキと動けたらいいんだけどね~のんびりしてるんだよね~」


「そこがいいんだよ!よし、採寸終わったよ!」


「ありがとう~!」