俺は下駄箱で舞原さんを待っていた。


今日こそ、話しかけようと思ったからだ。


明らかに具合が悪い顔をしている舞原さんが来た。


俺が駆け寄ると舞原さんは倒れた。


「俺につかまって」


そう言うと舞原さんは手探りで俺の首の後ろに手を回す。


お姫様抱っこをして保健室に向かった。


舞原さんの顔が俺の肩と首の間に乗っかる。


スーーーーっと舞原さんは息を吸った。


「いい……匂い……」


ドクンっと心臓が跳ねた。