「うっ、ううっ……」
彼は娘の顎を掴み上げ、見下すように眺める。
「全く、まるで品の無い。…⋯なんだこの目は。そのような目で私を見るな!! 」
そう言うと彼は娘の顔を、振り払うように離した。
「っ…⋯びっくりした〜。ごめんなさい、あたし、王子様はすごいな〜って思って! とてもキレイなお顔だし、魔力は強いし、優しいし!! 」
思わず娘を睨みつける。
「低俗の癖に、私に取り入ろうと言うのか!? 」
彼は凄んでそう言ったが、娘はなんの事か全く分からないというようにキョトン。
「え〜と、王子様はマジメでキリッとしててステキだし、魔力が強いからこの世界のみんなを守ってくれているし、居なくなった弟王子様を心配して、すごく優しい方だと思いました!! ……あれ? あたし変なこと言ったかな?? 」
「…⋯なんなのだ、この娘は」
実際のところ彼は高貴な者たちの相手ばかりしていたため、この娘のような無邪気なタイプは、他人では初めてだった。
ただ一人いたとすれば、彼の居なくなった弟だけ。
『ライ兄貴はスゴイな〜!! 』
弟が、幼い頃は彼女と同じように尊敬するような顔で自分を見つめていたのを思い出した。
「っ…⋯!! 」
彼は何とも言えなくなり、娘を置き去りにしたまま何も言わずに部屋を去った。
彼は娘の顎を掴み上げ、見下すように眺める。
「全く、まるで品の無い。…⋯なんだこの目は。そのような目で私を見るな!! 」
そう言うと彼は娘の顔を、振り払うように離した。
「っ…⋯びっくりした〜。ごめんなさい、あたし、王子様はすごいな〜って思って! とてもキレイなお顔だし、魔力は強いし、優しいし!! 」
思わず娘を睨みつける。
「低俗の癖に、私に取り入ろうと言うのか!? 」
彼は凄んでそう言ったが、娘はなんの事か全く分からないというようにキョトン。
「え〜と、王子様はマジメでキリッとしててステキだし、魔力が強いからこの世界のみんなを守ってくれているし、居なくなった弟王子様を心配して、すごく優しい方だと思いました!! ……あれ? あたし変なこと言ったかな?? 」
「…⋯なんなのだ、この娘は」
実際のところ彼は高貴な者たちの相手ばかりしていたため、この娘のような無邪気なタイプは、他人では初めてだった。
ただ一人いたとすれば、彼の居なくなった弟だけ。
『ライ兄貴はスゴイな〜!! 』
弟が、幼い頃は彼女と同じように尊敬するような顔で自分を見つめていたのを思い出した。
「っ…⋯!! 」
彼は何とも言えなくなり、娘を置き去りにしたまま何も言わずに部屋を去った。



