………
人間界の、とあるビルの一角にある店。
そこでは年配の女性と若い青年が、大きな水晶を覗いていた。
「重大発表?? 」
青年が興味深そうに尋ねる。
「ええ、一応お知らせしたほうがよろしいかと。なんでも、魔界の王子様の戴冠式と、王妃様のお披露目が急遽決まったそうなのです」
「それはすごい急だな!! 」
女性の言葉に、青年は楽しげに目を輝かせて驚いた。
「あ、始まったようですわ」
水晶を覗き込んだ二人が見たものは、闇のように黒いマントに赤き王冠を頂いた見覚えのある厳《いかめ》しい表情の若き新王。
その隣にいたのは、しきたりに沿った衣装は身に纏ってはいるが『高貴』という言葉とは全く無縁そうな小角族の娘。
屈託なく明るく笑い、“無邪気”という言葉がとてもよく似合う、今まで彼のそばには決して居なかったタイプの娘だった。
「……なんだよ。前までは散々、『低魔族など私には相応しく無い』とか、『私に相応しい高貴な娘を』とか言ってたくせにっ!! ロリタイプに目覚めたのか? おまけにこれは、“惚れた弱み”とかいうやつか?? 」
水晶を覗く青年が、王となった彼にとても良く似せた真似をしながらそう言うと、隣にいた女性は上品に笑う。
「わたくしにはこの王妃様が、“どなたか”の雰囲気にも似ている方かと思いますけれど? 」
「え、それって誰のことだ?? 」
全く身に覚えがない様子でそう首をひねる青年の様子に女性はもう一度上品に笑い、また水晶を見つめた。
人間界の、とあるビルの一角にある店。
そこでは年配の女性と若い青年が、大きな水晶を覗いていた。
「重大発表?? 」
青年が興味深そうに尋ねる。
「ええ、一応お知らせしたほうがよろしいかと。なんでも、魔界の王子様の戴冠式と、王妃様のお披露目が急遽決まったそうなのです」
「それはすごい急だな!! 」
女性の言葉に、青年は楽しげに目を輝かせて驚いた。
「あ、始まったようですわ」
水晶を覗き込んだ二人が見たものは、闇のように黒いマントに赤き王冠を頂いた見覚えのある厳《いかめ》しい表情の若き新王。
その隣にいたのは、しきたりに沿った衣装は身に纏ってはいるが『高貴』という言葉とは全く無縁そうな小角族の娘。
屈託なく明るく笑い、“無邪気”という言葉がとてもよく似合う、今まで彼のそばには決して居なかったタイプの娘だった。
「……なんだよ。前までは散々、『低魔族など私には相応しく無い』とか、『私に相応しい高貴な娘を』とか言ってたくせにっ!! ロリタイプに目覚めたのか? おまけにこれは、“惚れた弱み”とかいうやつか?? 」
水晶を覗く青年が、王となった彼にとても良く似せた真似をしながらそう言うと、隣にいた女性は上品に笑う。
「わたくしにはこの王妃様が、“どなたか”の雰囲気にも似ている方かと思いますけれど? 」
「え、それって誰のことだ?? 」
全く身に覚えがない様子でそう首をひねる青年の様子に女性はもう一度上品に笑い、また水晶を見つめた。



