紅い月が沈み蒼い月が昇る頃、彼は娘と共に宴の席へと招待された。
「兵士様、こちらへどうぞ! 高魔族の方の口に合うかはわかりませんが、村の者たちが腕によりをかけた食事を、どうぞ召し上がっていって下さい。ゼラ、お前もこっちへおいで」
「はい、ギダ様! 兵士様、行きましょう〜! 」
彼女には何の気も無かっただろう。
ただ、兵士姿である彼の手を引くために、その手に触れただけ。
その瞬間、娘は何か思ったらしくいきなり手を止めた。
「あれ?? 」
「これこれゼラ、失礼になる。声も掛けずに兵士様に触れてはいけないよ。兵士様、とんだ失礼を……」
「……まあ良い」
「あ、すいません……」
族長に注意され、そう返しながら娘は彼の手と顔を交互に見ながら不思議そうにしている。
「……なんだ? 」
彼は娘に怪訝な表情で尋ねる。
すると娘は、目を丸くして彼の顔をじっと見つめて言った。
「兵士様って、王子様そっくりです! 」
「!!」
彼は内心焦った。
しかし、正体が知れたわけではないらしい。
「兵士様、こちらへどうぞ! 高魔族の方の口に合うかはわかりませんが、村の者たちが腕によりをかけた食事を、どうぞ召し上がっていって下さい。ゼラ、お前もこっちへおいで」
「はい、ギダ様! 兵士様、行きましょう〜! 」
彼女には何の気も無かっただろう。
ただ、兵士姿である彼の手を引くために、その手に触れただけ。
その瞬間、娘は何か思ったらしくいきなり手を止めた。
「あれ?? 」
「これこれゼラ、失礼になる。声も掛けずに兵士様に触れてはいけないよ。兵士様、とんだ失礼を……」
「……まあ良い」
「あ、すいません……」
族長に注意され、そう返しながら娘は彼の手と顔を交互に見ながら不思議そうにしている。
「……なんだ? 」
彼は娘に怪訝な表情で尋ねる。
すると娘は、目を丸くして彼の顔をじっと見つめて言った。
「兵士様って、王子様そっくりです! 」
「!!」
彼は内心焦った。
しかし、正体が知れたわけではないらしい。



