「こ…ここから出たら、したいこととかない?ほら、行きたいところや…遊びたい物とか…!!」
何か、何か思いつくもの。
なんでもいい。
なんでもいいから、出てきて。
高田君が生きていたいって、そう思えるものは?
「何もないんですよ、井原さん」
高田君が目をつむる。
「勉強だけだったんです。それだけしか僕の世界には存在しない…それ以外に興味なんて、今さら持てるわけがない」
「そんな___」
私の言葉を遮るように、誰かが肩を叩いた。
愛梨ちゃんだ。
彼女は背筋を伸ばしスタスタと歩いて、高田君の目の前に立った。
そして___彼の目の前にハートマークを作る。
「あなたの推しになりたいな♡ステラガールズの乙女座担当、早乙女 愛梨です♡」
それは…よく知っている彼女の挨拶。
にっこりと満面の笑顔を浮かべる愛梨ちゃんの言動に、私だけじゃなく轟君と高田君も目を丸くしていた。



